契約してはいけない!相場より極端に安いフロアコーティングの悪質訪問販売

新築の戸建てやマンションでは、住宅設備やメンテナンス商品の販売を目的とした訪問販売が横行しているという現状があります。

特に新築のマンションでは、複数の契約が一気に取れる可能性があるので、訪問販売業者の格好のターゲットとなっています。

訪問販売業者の全てが悪質とは言いませんが、言葉巧みに部屋内にあがりこんで、家主さんの不安を煽っては契約まで持っていくという悪質な状況が多いのも事実なんですね。

販売する商品はフロアコーティングに限らず、浄水器や換気扇のフィルター、水廻りや壁紙のコーティングなど多岐に渡っています。

ちなみにわたしは、マンションの管理会社側で仕事をしていたことがありますので、悪質な訪問販売の状況や、家主さんとトラブルにいたるまでの状況に遭遇したことが多々あります。

新築の戸建てやマンションをターゲットにした悪質な訪問販売がある、ということを知っているか、知っていないかでは万が一の際の心構えが大きく違ってきます。

面倒に巻き込まれないためにも、知識を備えて自己防衛をするしかありません。

ということで、今回は「絶対に契約してはいけない!フロアコーティングの悪質訪問販売」ということで、詳しくお話してみたいと思います。

悪質訪問販売業者は突然やってくる

当たり前ですが、訪問販売業者は突然訪問してきます。

どこから情報を仕入れているのかは不明ですが、新築マンションの場合、家主さんに引き渡しされる日を把握している様です。

マンションだと通常はエントランスがあって、オートロックになっているわけですから、玄関先まで来ることは出来ません。

ですが引き渡し直後は、当日から引っ越す人も多く、引っ越し屋さんがひっきりなしに出入りする関係で、エントランスが開放状態になってしまうんですね。

エントランスが開放されていれば誰でも玄関先まで行くことが可能ですので、訪問販売業者はそれを狙って引き渡し直後のマンションに狙いを定めています。

悪質訪問販売業者は会社名を名乗らない

住戸の玄関先まで来た訪問販売業者は、不在なら次、不在なら次と片っ端から住戸を訪問していきます。

そしてインターホンに応答が合った場合には

「住戸内の設備の説明、点検に来ました」

「マンション管理会社の指定業者ですが」

「ディスポーザーの使い方の説明に参りました」

「建設会社の関係のものです」

「マンションの上階から順番に説明させて頂いてるんですが」

など訪問販売業者だと悟られないように、あたかも【設備の点検】や【マンションに関係している業者】を装って接触してきます。

そして、その様な言い回しをして、会社名は契約の直前まで出してきません。

なんの知識もない家主さんは、「点検なんだ」と簡単に部屋内に招き入れてしまいます。

引き渡された直後であれば、点検があってもおかしくありませんし、そう言われれば部屋内に招き入れてしまうのも無理はありません。

部屋に入ることが出来た訪問販売業者は、少し室内を点検する素振りを見せつつ、本来の目的である商品の販売へと話を移していくわけです。


【悪質訪問販売業者】

「フロアコーティングはご存知ですか?」
「ワックスだと、数年後にはフローリングがボロボロになってしまいます」
「今やっておかないと、大変なことになってしまうかもしれませんよ」
「標準の浄水器より性能良い浄水器があるんです」
「この蛇口一体型の浄水器は、じつは全然浄水出来てないんすよ」
「カートリッジも初回は無料で、ランニングコストもお得です」
「この換気扇のフィルターはダメですね」
「市販のものより優れたフィルターがありますよ」
「1枚のコストも◯◯円なので、とても経済的なんですよ」

など、設備の点検であったはずが、いつのまにか商品の案内に変わってしまいます。

そして最終的には

「今決めてくれたら、これだけ安くします」

「この機会を逃したら後悔しますよ」

「この機会を逃したら◯十万も損してしまいます」

「他の方もお申込みいただいておりますので」

と、商品を購入しないと家がダメになってしまうような言い方、今決めないと損をしてしまうと言うような言い回しを繰り返し、家主さんの不安を煽ってくるんですね。

話のおかしさに気づいて家主さんが断ったとしても、ああ言えば、こう言うの押し問答で、数十分、数時間も部屋居続けようとする場合もあります。

特に年配の方、女性だけの場合にはなんとか契約させようと強引に商品を勧めてくる場合もあるので注意してください。

悪質訪問販売業者は商品を持参、職人を待機させている

訪問販売業者は商品を持参し、職人を近場で待機させています。

知識のない家主さんは、「対応が早いな」と感心してしまうはずですが、実は家主さんに冷静に考える隙を与えず、キャンセルされるのを防ぐためというのが本当のところなんです。

訪問販売による契約は、法律でクーリングオフの期間が設けられています。

フロアコーティングのクーリングオフは可能?注文後の変更、キャンセルについて

クーリングオフの期間内であれば、一方的に契約を解除できると法律によって消費者が守られているんですね。

その対策として、契約直後に品物を納品、施工してしまえばキャンセルされることを防げますし、家主さんも施工しちゃったんだから仕方ないと思ってくれる可能性が高くなるわけです。

ですので、契約書にサインを直後に「今から施工できますんで」と外で待機している職人に連絡を入れ、納品施工の準備に入るのは、お決まりのパターンとなっています。

悪質訪問販売で取り扱われている商品とは

訪問販売で取り扱われる商品はケースバイケースですが、

フロアコーティング
浴室コーティング
トイレコーティング
玄関の石コーティング
壁紙のコーティング
換気扇フィルター
吸気口フィルター
浄水器

など、住宅のオプションで販売される商品と同じ様な商品を取り扱っていることが多いです。

比較的高額な費用が掛かってしまう、フロアコーティングもビックリするぐらい安価に提示してくることもありますが、フロアコーティングは絶対に安さだけで選んではいけません。

◎フロアコーティングの比較に相見積もりは必須!?その理由とは

ましてや、どんなフロアコーティングかもわからないのに、訪問販売の様な形で契約をしてしまえば、それこそ後悔することになってしまうでしょう。

悪質訪問販売が来た時の対応は

さきほど記載した通り、悪質な訪問販売業者は会社名を名乗らず、「点検」「説明」「マンションの指定業者」「マンションの関連業者」と偽って突然訪問してきます。

基本的に点検や説明、マンションの指定業者が事前のアポイント無しに訪問してくることは有りえません。

仮に、あったとしても「聞いてない」と対応されても当然のことですし、改めてアポイント取ってから来訪するように伝えるのが良いでしょう。

冷静に考えてみれば、突然設備の点検や説明なんて迷惑もはなはだしい話です。

マンションの場合、玄関先からの呼び鈴ですとモニターが映らず、音声のみでの対応になってしまうので、ついついすぐにドアをあけてしまいがちです。

もしドアをあけてしまった場合も、絶対に部屋内に入れてはいけません。

おそらくは、玄関先でいろいろ話をこじつけて部屋の中に入ろうとしてきますが、「点検なんか聞いてない」とキッパリ断りましょう。

アポイントがあるか、ないかは悪質訪問販売が来た時の見極めとして、とても重要なポイントになりますので意識しておいてください。

まとめ

項目を挙げていった通り、フロアコーティングに限らずこの様な販売形式で契約など絶対にしてはいけないと思います。

なのですが、同じ住宅業界に関わるものとして、とても残念な話ではありますが突然の訪問販売にも関わらず、異常な安さに魅力を感じて契約をしてしまう人も多いんですよね。

今施工しておかないとメンテナンスで後悔するかもしれませんよ、と不安を煽られて契約させられたにも関わらず、いざ数年後にメンテンナスを依頼しようと連絡したら、連絡が取れなくなってしまった。

なんて話は訪問販売業者との契約では実によくある話です。その様な悪質な会社は、会社名を変更して普通に営業してたりします。

新築の戸建て、マンションを購入する方、した方は、おそらくこの様な場面に出くわすことがあるかもしれませんので、知識として備えておいてください。

そしてしつこいようですが、アポなしの点検、説明は絶対に部屋内に入れてはいけません。

最終防衛ラインですでので、くれぐれも忘れないでくださいね。