シートフローリングに市販のワックス!おすすめはどれ!?

新築の戸建てや、マンションの住宅市場で、急速に普及してきているのがシートフローリングです。

ノンワックス、メンテナンスフリーを言われ、面倒なワックスがけの必要ない点が人気となっていて、積極的に採用する住宅メーカーも増えています。

シートフローリングが普及しはじめたのは、実を言うとここ数年のことなんです。

ですので、シートフローリングで実生活をある程度経年した後に、どの様な状態になるのか?というのが情報として、まだまだ未知数な部分もあるんです。

筆者自身も、シートフローリングの住宅で数年間生活していたことがありますが、思っていたより早くキズが目立ち始めたという経験があります。

建築の専門家の中には、耐久性の観点からシートフローリングは使い捨てのフローリングなんて言っている人もいたりして、本当にメンテナンスフリーのフローリングと言ってよいのかと疑問に思われるところがあるのも事実です。

いくらノンワックスフローリングといっても、フローリングの維持に念を入れたい人や、ペットを飼っている人にはワックスをかけたいという需要が、少なからずあるとは思うんですよね。

ですが、シートフローリングは一般的なフローリングに使用する、市販のワックスが使用できません。

その理由や、ではどうすればよいのかという点についてまとめていきたいと思います。

シートフローリングには市販のワックスが使えない?

シートフローリングの表面には、EPコートという特殊な強化コーティングが施されています。

強化コーティングが施されている理由は、表面のプリント素材を保護するためです。

表面のプリント素材はオレフィンシートという、極薄い塩ビシートが貼られているんですね。

プリント素材はビニールの様に薄いものなので、強化コーティングによって歩行の摩擦や擦り傷に耐えられるように保護されているんです。

そして、シートフローリングになぜ市販のワックスが使用できないかと言うと、

  • 市販のワックスではシートフローリングの強化コーティングに密着することが出来ないから(剥離の可能性がある)
  • 水分の多いワックスを塗布してしまうと、プリント素材に影響が出てしまう場合があるから(プリント素材がふやけてしまう可能性がある)

なんです。

フロアコーティングと比べて市販のワックスの耐久性が低いのは、塗膜の厚みが薄いのと、フローリングへの密着性が低いからです。

塗膜の厚み、フローリングの密着性には、成分と濃度が関係してきますが、市販のワックスはDIYでも施工しやすいように、成分が薄く、密着性がほどほどになるようにつくられています。

それが、シートフローリングへの密着度にも関係しているんです。

シートフローリングはノンワックスなので、素の状態で汚れを弾くようにコーティングされています。

そのように、コーティングされた表面に、密着性の低い市販のワックスを塗っても、汚れと同じく次第にポロポロと剥がれ落ちてしまうという訳なんです。

シートフローリングに対応したワックスもある

シートフローリングの普及と、シートフローリングにもワックスかけたいという需要もあって、市販のワックスでもシートフローリングに対応したものが発売されています。


リンレイ

【シートフローリング対応ワックス】合成アクリル・ウレタン樹脂ワックス

ツヤ
(3.0)
耐久性 6ヶ月
(2.0)
耐キズ性
(3.0)
塗りやすさ
(4.0)
乾燥時間 30分
(4.0)
総合評価
(3.0)

リンレイが発売する、ハイテクフローリングコートはUV塗装されたフローリング(シートフローリング)に対応した高密着がうたわれたワックスです。耐久性が6ヶ月と短いのが残念ですが、それでもシートフローリングに対応した市販のワックスは、まだまだ希少です。また、シートフローリングの種類によっては、剥がれ落ちる可能性が無いわけではありませんので、パッチテストは行ったほうがよいと思います。


シートフローリングにワックスを塗る際のポイント

シートフローリングに対応したワックスをかけるにしても、全面施工する前に部分的にテストで塗って、しばらく様子を見て剥離がないことを確認してからの施工を強くおすすめします。

一言でノンワックスフローリング、シートフローリングと言っても、様々なメーカーからいろいろな種類のフローリングは販売されています。

表面の強化コーティングも、キズや汚れ対策で日々研究され、キズ汚れが付きにくいように進化しています。

もともと密着性の弱い水性のワックスは、シートフローリングの種類によって相性が左右されるところもあり、ワックスが剥離してしまうかもしれない、という可能性は常に意識しておきたいところです。

フロアコーティングの様に、施工会社がある場合には適合についても保証はしてもらえると思いますが、DIYで施工の場合にはなにも保証は付きません。

水性ワックスですから、油性のフロアコーティングの様に剥離出来ないということはありませんが、剥離すること自体がフローリングにダメージを与えてしまうことも少なくないので、極力剥離の回数は減らしてあげることがフローリングの寿命を延ばすことにも繋がります。

万が一、フローリングに異常が出てしまったとしても、自己責任になってしまいますから、とくに慎重にしなければいけない点です。

シートフローリングには簡易のシートワックスもおすすめ

全面に塗布する水性ワックス、水性樹脂系ワックスは、水分の影響から、シートフローリングに対して気軽にワックスできるものではないというのは理解していただけたんじゃないでしょうか。

それでもワックスしたいの!という人にはシートワックスを試してみるという手もあります。

簡易なワックスなので、耐久性はありませんがキズを目立たなくする、汚れを除去するという意味では効果がないわけではありません。

なにより、水分の影響をシートフローリングに与えることなく、気軽にワックス、メンテナンスできるという点はメリットです。

シートワックスの場合も、強化コーティングが優秀な場合には、弾かれてしまう場合もありますので、部分的なテストはするようにしてください。


ツヤ
(3.0)
耐久性 4ヶ月
(3.0)
耐キズ
(1.0)
塗りやすさ
(5.0)
乾燥時間10分
(5.0)
総合評価
(3.5)

ツヤ
(1.0)
耐久性 1ヶ月
(1.0)
耐キズ
(1.0)
塗りやすさ
(5.0)
乾燥時間3分
(5.0)
総合評価
(2.5)

【細かなキズ消しシート】


まとめ

シートフローリングはメンテナンスフリー!やった~!と思っていたのに、生活してみたらキズや汚れは確かにつきにくいけど、つかないことはないというのが実際ではないでしょうか。

そして、必要に迫られてメンテナンスしなきゃ、と思っても強化コーティングされている関係で合うワックスも少なく、どうしようもないと言う状況になってしまうことも少なくないんですよね。

今後、さらにシートフローリングが普及していけば、ワックスメーカーも対応した新商品を出してくる可能性は大いにありますが、シートフローリングも進化していってしまうので、相性の問題というのはなくならないんじゃないかと思っています。

もし、ペットなどを飼っていて、もしくは新築で飼う予定があって、シートフローリングのメンテナンスを考えなければいけないのであれば、シートフローリングに対応したフロアコーティングを検討してみても良いかもしれません。

水性のワックスを施工して、何度も塗り替える場合にはどうしても剥離作業がともないます。

水分を少なからず使う剥離作業は、シートフローリングに影響してしまうことも考えられるんです。

それであれば、1回の施工で済むフロアコーティングの方が、後々のことを考えればメリットは大きかもしれません。