シートフローリングのつくりと特徴!メリット、デメリットとは

シートフローリングとは?

シートフローリングとは、フローリングの表面にプリント素材(オレフィンシート)が貼られたフローリングのことです。

今まで一般的だったフローリングは複合フローリングと呼ばれ、本物の木材を薄くスライスした単板を表面に貼っています。

簡単に言えば、フローリングの表面にプリント素材を貼っているのか、本物の木材が貼られているかという違いが、シートフローリングと複合フローリングの違いになります。

環境問題や世界的に良質な木材が取れなくなってきているという背景、そしてプリント技術の向上やコスト面から、フローリングメーカーもシートフローリングにシフトしてきているんですね。

シートフローリングのつくり

シートフローリングの厚みは15mmから20mm程度で、断面を見ると複数の層、素材で構成されています。

ベースとなる厚みのある合板に、MDFが貼られていて、MDFの上にプリント素材(オレフィンシート)という構成が一般的です。

プリント素材(オレフィンシート)とは?

オレフィンシートは極薄いビニール素材に、様々な柄がプリントされたプリント素材です。

プリント素材というと、紙のようなものをイメージしてしまいますが、ビニールシートがベースに使われているのでそこそこの強度を持っています。

住宅では様々な場所に使用されていて、例えば部屋の扉、キッチン収納の扉、洗面台の扉など木目を基調とする場所に使われることが多いです。

プリントとは言え、本物と見分けがつかないぐら精巧に木目が再現されています。

MDFとは

MDFは木材を繊維状にして、固めた素材ことです。

MDFのメリットは表面が平滑という点です。

例えばオレフィンシートはとても薄いビニール素材なので、接着する面がデコボコしていると、そのデコボコがおもいきり表面に出てしまいます。

その様な場合に、MDFをベースに使用すればデコボコもなく、平滑にオレフィンシートを貼ることが可能になるなど、ベース素材として使用されています。

オレフィンシートは1mmにも満たないとても薄い素材なので、それだけでは歩行や埃など日常的に負荷の掛かるフローリングの表面材として強度は保てません。

フローリングの表面材として強度を保つために、オレフィンシートを強化コーティングで保護しています。

その強化コーティングのおかげで、ノンワックスでもフローリングの美観が長く保てるというつくりになっているんですね。

シートフローリングのメリット

  • ワックスが不要
  • 日焼けしにくい
  • 様々な柄、木目が人工的につくれる
  • プリント素材のためコストが安い
  • プリント素材のため色の違いが出にくい

ワックスが不要というは点は多くの家主さんにとって、とても魅力的なメリットではないでしょうか。

ワックス掛けのわずらわしさから開放されますし、なにもしなくても長く美観が保てるというのは嬉しいメリットです。

またシートフローリングは人工素材のため、複合フローリングと比べると日焼けしにくいという特徴も持っています。

長い目で見ると、フローリングは色褪せが原因で色が異なってしまうのが目立ってしまいますが、それを軽減してくれるのも嬉しいメリットです。

シートフローリングのデメリット

  • 擦り傷が付かないわけではない
  • 水に弱い
  • 補修が難しい

表面が強化コーティングされているといっても、擦り傷が付かないわけではありません。

生活していると、どうしても擦り傷は目立ってきてきます。

ワックスやフロアコーティングをしている場合には、擦り傷がフローリングに直接付いている訳ではないので、メンテナンスすることによって目立たなくすることが可能です。

ですが、シートフローリングの場合は擦り傷が直接付いてしまうので、それが出来ません。

またシートフローリングの基材のMDFは水分を含みやすく、水分を含んでしまうと変形しやすいというデメリットがあります。

例えば、こぼしてしまった水が、フローリングのつなぎ目から浸透してしまうと影響が出てしまう可能性もあります。

Q&A シートフローリングを水拭きしたら、表面がふやけてきた?

ノンワックス、メンテナンスふりーと言えば聞こえは良いですが、複合フローリング以上に取扱には注意が必要なフローリングです。

シートフローリングを見分ける方法は?

新築の戸建てやマンションを購入する場合は、売り主からフローリングの種類について説明があると思います。

またノンワックスのためワックスを掛けずに引渡しになるので、フローリングに光沢がないのですぐにわかります。

問題は中古物件の場合ですね。

プリントが精巧なため、本物の木と見分けが難しく、複合フローリングなのかシートフローリングなのかプロでも判断に迷ってしまう時があります。

断面を見ればすぐに判断できますが、床に張られてしまっている状態ではそれも出来ません。

シートフローリングが急に普及し始めたのは、ここ数年ですので築年数が浅い戸建てやマンションほどシートフローリングが使用されている確率も高くなります。

あとは経験と感に頼るしかないのですが、建材の知識が少ない方はちょっと見分けが難しいかもしれません。

シートフローリングは傷付くとどうなる?

シートフローリングの傷については、別の投稿で詳しく説明していますのでそちらを参考にしてみてください。

シートフローリングのキズを放置しておくとどうなる?

シートフローリングは本当にメンテンスフリーなのか

シートフローリングが普及し始めたのが、ここ数年のことでメンテナンスについても未知数の部分もあるんですよね。

評判どおり傷つきにくいという人もいれば、傷つきやすいという感想を持っていると様々です。

家族構成やライフスタイルによるところも大きいので、一概には言えません。

わたしもシートフローリングの家に数年間住んでいたことがりますので、その経験を別の記事で投稿しています。

シートフローリングにワックス・フロアコーティングは本当に必要ない!?

正直言って、思っていたより擦り傷は付くなという印象でした。

表面は確かに強いんですが、擦り傷が光の角度によっては目立ってしまいます。

職業柄細かい傷が気になってしまうというのもあるかもしれません。

まとめ

ノンワックス、メンテンナンスフリーのフローリングと言われていることもあって、ワックスやフロアコーティングを施工しようか迷っている人も多いんじゃないでしょうか。

実際、シートフローリングとの相性によってはワックスやフロアコーティングが剥離してしまう可能性もるので注意が必要です。

ノンワックスといっっても、やはりメンテナンスが気になる人も結構多いんです。

フロアコーティングの需要もあることから、シートフローリングとの相性をテストしている施工会社もありますので、興味のある方は検討してみるのも良いかもしれませんね。