フローリングに付いてしまったキズや凹み。
目につく度に、なんでもっと注意しなかったんだろうと後悔をしてしまいますよね。
小さなキズならDIYでもなんとかなりそうですが、大きな傷、深いキズともなると、なかなかそう簡単にはいきません。
そんな、どうにもならない状況の時に頼りになるのが、プロの補修屋さんです。
ですが疑問に思ってしまうのは、補修にどれぐらいの金額が掛かるのかと、相場です。
キズの補修をプロに頼んだら、どれぐらいの費用が掛かるのか?
相場観についてまとめたいと思います。
プロのキズ補修に相場はない
まず、ずばりキズ補修の相場についてですが、
キズの補修は、1箇所いくらみたいな相場はないと言ってよいと思います。
目安として提示している会社もありますが、あくまでも目安の金額なんですよね。
なぜ相場がないかというと、1箇所いくらみたいな計算をしてしまうと、職人さんは確実に赤字になってしまうからです。
例えば、米粒ほどのキズを1箇所補修依頼が来たとします。
その補修代金が1箇所、2千円、3千円の料金設定では、補修屋さんは全く利益を出すことができません。
少なくとも、技術料を1万円~2万円プラスして、計上できないと赤字になってしまうんです。
逆に、1箇所で1万円、2万円もの料金設定してしまうと、今度は仕事が来なくなってしまいます。
依頼する側としても、ほんの小さなキズを直してもらうだけで1万も、2万も費用が掛かっては、ものすごく割高に感じてしまいますよね。
キズ補修の費用は半日、一日の日当で算出する
補修の料金というのは1箇所いくらという計算ではなく、日当、人工費用で計算されることが多いんです。
建築業界では普通に使われている費用算出の仕方ですが、作業が1日掛かるのであれば1人工、作業が半日で終わるのであれば半人工という考え方です。
フローリングのキズ補修ぐらいですと、だいたい2時間から半日程度あれば作業は終わると思いますので、半日の日当で費用を算出するところが多いんじゃないでしょうか。
半日、一日の日当っていくら?
半日、一日の日当は、なにか決まりごとがあると言うわけでもなく、職人さんの技量によって変わってくる部分も大きいのですが、おおよそ
- 半日の日当が1万円~2万円
- 1日の日当が2万円~4万円
の範囲で、費用を設定しているところが多いんじゃないでしょうか。技術料、交通費、諸経費も含まれる形ですね。
プロの補修屋さんは、フローリングに限らず、扉などの建具や家具、窓まわりのサッシなど補修の範囲は多岐に渡ります。
補修専門の職人さんともなると、建材や塗料の知識が必要になってきますし、職人さんが多いわけでもないので日当は高めな印象です。
補修とは、直しているわけではなく、言い方が悪くなってしまいますが、周囲に同化させて誤魔化すという作業。違和感を感じないように、元の状態に近づけるのが補修です。
フローリングのキズは状態にもよりますが、比較的補修しやすい部類には入りますので、半日もあれば数箇所は作業が可能でしょう。
プロにキズ補修を頼むなら、数箇所を同時に
このような費用設定もありますので、プロにフローリングの補修を頼むのでしたら、ある程度キズがまとまってからの方が、費用に見合ったものになります。
フローリングのキズがまとまってから、というのもおかしな言い方ですが、すぐにフローリングの劣化につながってしまうようなキズ以外は、そうした方が費用的に考えるとお得です。
特に気になるキズ、ちょっと気になるキズ、の様なかんじで優先順位を決めて、半日、一日の作業範囲内で補修範囲を決めておくと良い感じですね。
とりあえず、キズが気になって仕方がないという人は、ひとまず市販の補修材で誤魔化しておくのも手です。
市販されているキズ補修材
市販のキズ補修材で応急処置をする時に、注意しなければいけない点は、傷の状態によって使うものを選ばなければいけないという点です。
キズにも種類がありますよね。線キズ、凹みキズ、物を落として穴が空いてしまったキズ、フローリングの剥がれなど。
キズの状況によって、使う補修材を選ばなければなりませんので、ご紹介していきますね。
キズの種類で、一番多いのは線キズではないでしょうか。線状にキズが入ってしまった状態ですが、キズが浅ければホームセンターなどで売っている「かくれん棒」が手軽です。
キズが埋まる訳ではありませんが、色を周囲に同化させて、キズを誤魔化す感じですね。
長くは持ちませんので、塗料が剥がれてしまうこともありますが、とりあえずの応急処置にはもってこいです。
こちらは、フローリングに穴があいてしまった時に便利な補修材です。
樹脂をコテで溶かして、フローリングの穴を埋めていきます。
プロの補修屋さんも、このタイプの補修材を使用することが多いですね。
ある程度慣れが必要ですが、慣れてくれば樹脂を絵の具のように混ぜ合わせて、よりフローリングに近い色に調色することも可能です。
硬化までの時間が短いので、はじめて作業を行う場合には、少し練習したほうがよいかもしれません。
また、コテが熱くなりますので、特にシートフローリングの場合、コテの当てすぎで表面のプリント素材を痛めてしまう場合もあるので注意が必要です。
こちらは切って貼るだけの木目の塩ビシートです。
フローリングの色と違和感がなければ、というところですが、キズの範囲が広い場合や、特にフローリングの表面が剥がれてきてしまった時には、応急処置で貼っておくのも手です。
ですが、粘着性のシートなのでゴミや埃に弱く、耐久性は見込めませんので、本当に応急処置で貼っておく程度に考えておいた方がよいでしょう。
プロの補修屋さんも、樹脂を溶かしてキズを埋めるタイプの補修材を使用しますが、やはりプロの道具だけあって色の種類が半端ありません。
フローリングの色に合わせて調色して、必要があれば木目も描いていったりします。
一度、道具の費用について職人さんに聞いてみたことがあるんですが、補修の道具、材料だけでも数万~十数万してしまうそうです。
やはり、技術と補修に関してノウハウがありますので、費用を掛けてでもプロに頼む価値は十分にあると感じた次第です。
まとめ
フローリングのキズはとても気になりますし、例えばそれが新築、入居して間もない時だったらなおさらです。
市販の補修材は耐久性もなくて、応急処置には適していますが、長い目で見るとフローリングのためにもなにかしらの対処が必要になってきてしまいます。
キズを放置することによって、フローリング自体の劣化が早まってしまっては、身も蓋もない話になってしまいますからね。
必要性を感じるのであれば、費用は掛かってしまいますが、思い切ってプロに頼んでみるのも良いと思います。