傷ついたフローリングは一枚ずつ張替え出来ない?その理由とは

いくらフロアコーティングをしていても、生活をしていれば物を落下させてしまったりして、フローリングはどうしても傷ついてしまうものです。

あまりにも酷い場合には、フローリングの張替えも考えなければいけません。

ですが、フローリングの張替えの見積を取ってみたらビックリするぐらい費用が掛かる!という経験のある人も少なくないんですよね。

その理由、傷ついたフローリングが一枚ずつ張替え出来ない理由について解説したいと思います。

傷ついたフローリングが一枚ずつ張替え出来ない理由とは?

フローリングが一枚ずつ張替え出来ない理由は、フローリングのつくりが関係しています。

フローリングは複合、シート、無垢と複数種類がありますが、いずれも断面には凹凸加工がほどこされています。

フローリングは敷き詰めていく際に、この凹凸をしっかりと噛み合わせて、部屋の片側を基準にして順番に張っていくんですね。

断面の凹凸を噛み合わせることによって、一枚ずつのフローリングが一体化して強度が増すのと同時に、歩行によるフローリングの浮き沈みも一体化したフローリング全体で受けれるようなるというつくりになっているんです。

そして、例えば部屋の中央のフローリングが傷ついてしまい、張り替えようと思ったとしましょう。

フローリングを剥がすときには、ノコギリを入れて細かく切っていけば外すことは可能なんですが、問題はフローリングを復旧する時です。

フローリングを1枚だけはめ込もうとしても、凹凸加工の部分が出っ張っているので、1枚だけをはめ込むことは出来ません。

ではどうするかと言えば、周囲のフローリングも複数枚外して、凹凸加工の部分を噛み合わせながらフローリングを押し込む方法をとるしかありません。

それなら、凹凸加工を切ってしまえば1枚だけ交換できるじゃないかと思ってしまいがちです。

ですが、凹凸を噛み合わせていないおかげで、歩行の際にフローリングがバラバラに浮き沈みしてしまうので、断面がどうしが擦れてフローリングが割れてしまうという可能性が出てきます。

特に、フローリングの裏面にクッションの付いた防振性のフローリングは浮き沈みが大きいので、より割れてしまう可能性が高くなってしまうんです。

フローリングの断面の凹凸加工を、噛み合わせなければいけない

と言うのが、フローリングを一枚だけの張り替えを難しくしている理由です。

数枚のフローリングの張替えであっても費用が高い理由

数枚のフローリングの張替えの費用が高くついてしまう理由は簡単です。

それはフローリング材が、一枚だけ購入するということが出来ないからです。

たった3枚、4枚の交換であっても、フローリングメーカーが販売してくれるのは1箱(20枚~30枚程度)のフローリングで、その費用が上乗せされているからなんですね。

職人の作業費も入れると5万~10万程度の費用が掛かってしまいます。

また、フロアコーティングを施工してあった場合には、新しいフローリング部分に再度フロアコーティングを施工してもらわなければなりませんので、費用は余分に掛かってしまいます。

フローリングを張り替えたら色が全然違った?

意外と盲点なのがフローリングを張り替えたら、他の場所とフローリングと色が全然違ってしまった!ということが多々ある点です。

フローリングは塗装してあるものがほとんどで、メーカーで生産される段階で、既に色違いが発生してしまうということが、その原因になっているんですね。

複合フローリングの場合は天然の木を表面に使用していますので、同じ木が違う木かでも色が異なりますし、塗料を配合率が合っていたとしても全く同じ色というのは再現できません。

ですので、メーカーはフローリングの色違いによるクレームを防止するために、生産段階でロット番号というのを決めていて、ロット番号(生産時期)の違うフローリングは色が合いませんと明記しているんです。

シートフローリングは表面が人工のプリント素材なので、ロット番号に左右されないというのはメリットとも言えます。

フローリングを部分的に張り替える際に、ロット番号が合わなければ、そこだけ色違いになってしまい、もはや傷どころの騒ぎではなくなってしまいますので、その点もとても注意したいところです。

フローリングのロット違いは、リフォームする際にも関係してきますので、知識として覚えておいて損はありません。

傷が目立つなら補修という選択肢もある

もしフローリングの傷が広範囲ではない場合には、補修をするという選択肢も考えてみてください。

フロアコーティングをしているのであれば、フロアコーティングの施工会社に相談してみるもの手です。

フロアコーティング施工に、フローリングの補修は付きものですので、ある程度であれば補修が可能な場合もあるからです。

もし、それ以上を求めるのであれば、フローリングを専門に補修を行っている会社もあります。

最終手段としては、複合フローリングであれば表面の単板を一枚分張り替えて、周りの色に同化するように塗装するということも可能です。

この場合は、費用も時間も掛かってしまうので張替えと迷うところですが、フローリングのロット番号で色違いになってしまうよりは満足出来る結果になると思いますよ。

まとめ

部分的なフローリングの張替には、注意しなければいけない点が多数あることが解っていただけたでしょうか。

家主さんとしては一枚フローリングを張り替えてほしいだけなのに、なんでそんなに費用が掛かるの?と思ってしまうのはごもっともなんですが、そう簡単な話ではないんですよね。

施工する側も色々とリスクがあるので、正直言って補修で済ませてた方が安心なわけです。

個人的にも、ものすごい傷、破損でなければ補修専門のプロ、フロアコーティングしているのであればフロアコーティングの施工会社に一度相談してみる方が良いと思います。