住宅内のカビの発生は、ほんとうに厄介でフローリングに限らず壁紙やカーテン、ソファーなどあらゆるところに危険が潜んでいるんですよね。
特にフローリングのカビは、床ということもあって発見が遅くなってしまうこともあり、取り返しのつかな状況になってしまうことも少なくないんです。
なによりも、カビによる健康被害の可能性さえあります。
湿気の多い季節はもちろん、現在の住宅事情では冬でもカビの発生に注意しなければなりません。
そんな気なる、フローリングとカビの関係についてまとめたいと思います。
フローリングに不思議な黒ずみ?
カーペットやラグマット、布団をめくってみたら、不思議な黒ずみが?と思ったら、それはフローリングにカビが発生しているかもしれません。
フローリングにカビ?なんて思ってしまいますが、環境やライフルタイルによってはフローリングにカビが発生してしまうことも十分考えられるんですね。
色の薄いフローリングだったら、フローリングが黒ずんでいるのですぐに気がつくかも知れませんが、色の濃いフローリングの場合には、フローリングの黒ずみ、すなわちカビの発生に気がついていないことも考えられます。
条件が整えば、カビはあっという間に繁殖してしまいますので、以下の条件に心当たりがないか確認してみてください。
なぜフローリングにカビが発生してしまうのか
フローリングにカビが発生してしまいやすい状況というのがあるんですね。
- ラグマットを敷きっぱなし
- フローリングの上に布団を敷いて寝ている
- 観葉植物のトレー周り
など、カビは空気の循環がなく湿度が高い場所を好みます。
その中でも特に多いのは、フローリングの上に布団を敷いて寝ている場合で、さらに布団を何日も敷きっぱなしにしているご家庭は要注意です。
ベッドを使わずに、フローリングに布団派!という人もまだ多いんじゃないしょうか。
最近は、和室がない間取りの住宅も増えてきていています。
また年配の方は、ベッドが合わないという人も多く、畳と同じ様な感覚でフローリングの上に布団を敷いて寝ている方も多いようです。
人は寝ている間に、コップ1杯分もの汗をかいているというのは、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか。
そういったこともあって布団の十分な湿気と、人の体温で暖められた布団の下はカビにとっては、まさにパラダイスなんです。
ゴミ、埃、剥がれ落ちた人の皮膚、髪の毛、ワックスなど有機物は、なんでもカビの養分となり得てしまいます。
そんな状況では、もはや布団の下でカビを培養していると言っても過言ではない状況をつくってしまっている訳なんです。
カビはいつ発生しやすいのか
カビが発生しやすいのは湿度が75%以上、温度が20℃以上という条件があって、その条件が整うと活性化しやすくなります。
季節でいうと6月~9月頃が最もカビの発生しやすい季節となりますが、最近の住宅は戸建でも、マンションも建材の進化で昔と比べると、格段に気密性が向上しています。
ですので、冬であっても加湿器や暖房を使用する環境下と、気密性が高いという条件が整えばオンシーズンではなくとも、カビが発生してしまう可能性があるんです。
フローリングにカビが発生してしまったら
フローリングにカビが発生してしまった時には、カビ菌の定着の度合いによって段階があります。
- 第一段階 拭いて取れる
- 第二段階 ワックスの剥離で取れる
- 第三段階 ワックスを剥離しても取れない
拭いて除去できるのが理想です。最悪でもワックスを剥離して除去できるところまでがボーダーラインです。
もし、ワックスを剥離しても黒ずみが取れない状況までいってしまうと、カビ菌がフローリングの木材に根を張って、浸透してしまっている状態と考えられます。
キッチンや浴室の目地やコーキングでも、経験がある人は多いんじゃないかと思いますが、カビ菌が一度根を張ってしまうと、再度カビが発生してしまう可能性が高くなります。
そのようなことになってしまった場合には、もはやフローリングを張り替えるしか選択肢がなくなってしまいます。
仮に、カビの除去専門の業者に依頼したとしても、カビ菌を100%除去することは不可能ですので注意したいところです。
カビによるフローリングの黒ずみをなんとか取ろうとして、安易に漂白剤を使ってしまうのは間違いです。
複合フローリングや無垢フローリングの場合、表面が塗装されているものも多く、漂白剤を使用してワックスが反応するだけならまだしも、フローリングの塗装が剥がれてしまったら、さらに状況が悪くなってしまいます。
滅菌処理は忘れずに!
第一段階、第二段階までで、カビを除去できたとしても、油断してはいけません。拭いただけではカビ菌が除去できていない可能性があるんですね。
市販されている防カビ剤を使っても良いですが、カビは50℃以上で死滅させることが出来ますので、熱湯で熱した雑巾を固く絞って、カビが発生した場所に数秒当てて滅菌することも可能です。
スチームクリーナーを使用するのが手っ取り早いですが、スチームの当てすぎでワックスが剥離してしまったり、最悪の場合フローリングがダメージを受けてしまうこともあるので取扱には注意が必要です。
フローリングの表面材はとても薄い木材が、接着されています。
接着剤というのは全般的に熱に弱いという特徴を持っていて、フローリングも熱を加えすぎてしまうと、表面材を接着している糊の劣化が早まってしまう可能性があるんです。
カビが発生しやすい環境は健康にも影響する
カビの発生は、フローリングへの影響だけではなく、喘息やアレルギーといった健康に影響を及ぼす可能性もあるんですよね。
敷きっぱなしの布団には、内部にカビが繁殖している可能性があります。
そのカビが寝起きや、寝返りの度に、大量に空中に舞ってしまいます。
そして、カビが繁殖した布団には、カビをエサにするダニが繁殖します。
ダニの死骸は、喘息やアレルギーの原因にもなりますので、健康面からみてもものすごい悪循環が生み出されてしまいます。
カビもダニも目視出来ない、もしくはしずらいので、なかなか気づきにくいですが、布団を敷きっぱなしにしている場合にはかなりの確率で繁殖している可能性があるので、一度チェックしてみた方がよいかも知れませんね。
フローリングの湿気対策
フローリングをカビさせないためにも、湿気対策は必須です。
ポイントは湿気をためない、換気が一番ですが、空気を循環させてあげるだけでも、大きな効果が見込めます。
室内に湿気がこもりやすい、6月~9月のオンシーズンには特に意識したいところです。
フローリングの上に布団を敷くなら、スノコや除湿マットは欠かせません。
折りたたみ式のスノコは、敷布団を乗せたまま折り畳めて、同時に干すことも可能なので便利です。
除湿マットはカビやダニが繁殖しにくい素材が使用されていますので、フローリング直に布団を敷くのに比べて高い除湿効果が見込めます。
ラグマットや、カーペットの下も湿気がたまりやすく、カビが繁殖しやすい環境にありますので、除湿マットが便利です。
布団と兼用のものも多いですが、サイズが足りなければ2枚使用するなど、工夫すれば対応は可能です。
まとめ
フローリングへのカビ繁殖は本当に厄介です。
拭いて除去が出来ればラッキーですが、気がついたときには木材にまで根を張って、黒ずんでしまっているということも多いんですよね。
そのような状況になってしまうのに、新築住宅も中古住宅も関係ありません。
さきほども言いましたが、最近の住宅は本当に気密性が高いのもあって、湿気が室内にこもってしまいがちなんですね。
気密性が高いのはとても良いことなんですが、カビの繁殖を手助けしてしまうという点では注意しなければなりません。
新築で入居前なら、フロアコーティングもカビ対策には有効です。
ワックスよりも硬いので、カビも定着しにくく、拭くだけでカビの除去は可能ですので検討してみてはいかがでしょうか。