フローリングをキレイに保つためには、ワックスやフロアコーティングが欠かせません。
いちばん身近なものは、DIYでも施工が可能な市販のワックスではないでしょうか。
一言でワックス言っても、市販のものも耐久性や光沢に違いがあって、数多くの種類が販売されています。
フロアコーティングに種類があるように、ワックスにもいろいろな種類があるんですよね。
また、無垢材のフローリング、複合フローリング、シートフローリングなど、フローリングの種類に合わせたワックス選びも重要になってきます。
フローリングとワックスの相性や、市販のおすすめのワックスについてまとめたいと思います。
フローリングにワックスを使うメリットとは
フローリングにワックスをかけるメリットとは、光沢による美観的なものと、フローリングが直接受けるダメージの軽減です。
フローリングは木材で出来ているという特性もあって、実は日常生活によるダメージに弱い部分もあるという側面を持っています。
その部分を補ってくれるのが、ワックスやフロアコーティングというわけです。
- 光沢による美観
- 光沢によりキズを目立たなくする
- 光沢により汚れを目立たなくする
- フローリングにつくキズや汚れの軽減
- 滑り止め効果
- 耐水効果
最近では、フローリングにあらかじめコーティング処理が施された、ノンワックスフローリング、シートフローリングと呼ばれるフローリングが普及してきています。
メンテナンスフリーとうたっているので、定期的にワックスをかけなくてもよいと人気のフローリングですが、シートフローリングの強化コーティングも絶対に汚れや、キズがつかないというわけではありません。
汚れもつきますし、生活していれば細かいキズは次第に目立ち始めてきますペットを飼っていれば、なおさらフローリングの劣化のすすみ具合は早まってしまいます。
強化コーティングされているシートフローリングでさえ、その様なリスクがありますから、コーティング処理を施していない一般的な複合フローリングは、さらにそのリスクが高いということが言えるんですね。
ワックスやフロアコーティングは、フローリングの劣化が早まってしまう原因からの影響を軽減してくれる役割があるわけなんです。
ワックスにも種類がある?
ワックスは家庭の必需品だけあって、メーカーやホームセンターなどのオリジナル商品を含めると、その種類は数十種類に及びます。
一見、種類が多い様に見える市販のワックスですが、含まれる成分によってフロアコーティングの様に、大きく分けると3種類に大別することが可能です。
- 水性ワックス
- 水性樹脂系ワックス
- 油性ワックス
ここで言う水性ワックスとは、蝋を主成分とした昔ながらのワックです。
蝋は自然由来の成分で安全性も高く、塗りやすさもあって、ワックスと言えば蝋を含んだワックスという時代がありました。
ただ、耐久性に乏しく頻繁に塗り直しが必要になってしまうため、現在では樹脂系の水性ワックスに主流の座を奪われてしまい、登場する機会も少なくなってしまいました。
とはいっても、自然由来成分のため、より自然な風合いを保ちながらワックス効果を求められる、無垢材のフローリングとは抜群の相性で、現在でもその需要はあります。
水性樹脂系ワックスはフロアコーティングと同じ様に、アクリル、ウレタン、シリコンといった樹脂を主成分としたワックスです。
蝋を主成分としたワックスよりも、耐久性が高く、キズや汚れへの耐性が高いのが特徴です。
フロアコーティングと違う点は、樹脂成分の濃さ(濃度)です。
樹脂成分は濃度が高いほど粘度が高く、塗布に技術が必要になってきます。
その点、市販されている水性系樹脂ワックスは、素人でもムラになりにくような樹脂濃度になっているんですね。
濃度が薄いぶん、フロアコーティングと比べてしまうと、耐久性が劣ってしまうわけなんです。
ワックスの油性については、フロアコーティングの様な種類の異なりとは、意味合いが少し違ってくるので注意が必要です。
油性なので水では溶けない成分が、主成分となっています。
ワックスの場合に解釈される油性とは、主に塗装されていな木材に浸透させて着色する、蝋や油を原料にしたものでオイルステインの様な塗料に近い意味合いで使われています。
用途的には、主に塗装されていない無垢のフローリングなどに使われるものを、油性ワックスと呼んでいて、使用される場面が限られてくるので注意してください。
ワックスを選ぶポイントって?
ワックスを選ぶ際のポイントは、フローリングの種類によって使用できるワックスが異なってくるという点です。
一般的な複合フローリングであれば、水性ワックス、水性樹脂ワックス全般に対応していますが、無垢材フローリングやシートフローリングは、使用できるワックスが限られてきますので注意してください。
無垢のフローリングは水分の吸い込みがとても大きいので、水分の多い水性ワックスを塗ってしまうと、木が水を吸って膨張し床鳴りの原因となってしまったり、フローリング反ってしまう可能性があります。
ですので、フローリングに染み込ませても大丈夫なワックスを選ぶ必要が出てくるということになります。
ノンワックスフローリングと言われる通り、フローリングメーカーはワックスをかけることを推奨していません。
というのも、シートフローリングの表面材には極薄いプリント素材が使われていて、フローリングの継ぎ目から多量の水分を吸わせてしまうと、そのプリント素材がふやけてしまう可能性があります。
ですので、基本的に水性ワックスは厳禁。水性樹脂系ワックスもあまり相性が良いとは言えません。
もしワックスをかけたいのであれば、シートフローリングに対応したフロアコーティングを検討した方が間違いありません。
通常フローリングにおすすめなワックスはこれ!
リンレイ
リンレイのワックスと言えば、定番中の定番です。
一般的なフローリング用途のワックスでしたら、アマゾン、楽天でもベストセラー商品の上位には必ず言ってよいほど、リンレイのワックスが登場しているんですよね。
それだけ、塗りやすく、仕上がり感のよい評判の良いワックスがラインナップされてると言うことになります。
【ベーシックタイプ】合成アクリル樹脂ワックス
ワックスの定番商品と言ってもよいほど、フローリングに限らず万能なワックスです。
耐久性、塗りやすさ、どれをとっても標準といってよい、水性樹脂系ワックスです。
ビニール床やクッションフロアなどトイレや水廻りの床など、まとめて使用できるのも特徴です。
【フローリング専用ワックス 光沢あり】合成アクリル樹脂ワックス
フローリング専用のワックスで、光沢ありタイプのワックスです。
ベーシックなallと比較すると、耐水性に優れた水性樹脂系ワックスです。
最近では、床暖房完備の住宅が増えていますが、床暖房にも対応しているので安心です。
【フローリング専用ワックス つやなし】合成アクリル樹脂ワックス
フローリング専用のワックスの、つやなしタイプのワックスです。光沢は人によって好みが分かれるところなので、つや有り、なしタイプから選べるのはありがたいですね。こちらも、床暖房にも対応していて、防水性が高いので安心です。
【高光沢ワックス】合成アクリル樹脂ワックス
高光沢成分配合で、テカテカの鏡面仕上げが可能なワックスです。かなり光沢が強いので、好みが分かれると思いますが、UVコーティングの様な強光沢が好みな人には最適なワックスです。
【高光沢ワックス】合成アクリル樹脂ワックス
高光沢ワックスの耐久年数が、1年に伸びたタイプのワックスです。こちらも高光沢成分配合で、テカテカの鏡面仕上げが可能なワックスです。強光沢タイプで、メンテナンスの頻度も重視したい人は、こちらを選ぶと良いでしょう。
【高耐久ワックス】合成アクリル・ウレタン樹脂ワックス
合成アクリル樹脂にプラスして、ウレタン樹脂も配合した高耐久ワックスです。フロアコーティングにも言えますが、アクリル樹脂よりも、ウレタン樹脂の方が耐久性が高いという特徴があります。ワックスの濃度が濃いめなので、一度に厚く塗ってしまうとムラになりやすいので、注意が必要です。
【超高耐久ワックス】合成アクリル・ウレタン樹脂ワックス
水性のフロアコーティング並みの耐久年数のワックスです。かなり光沢が強いので、フローリングをツヤツヤにしたい人にはおすすめのワックスです。ライフスタイルによっては、2年持つかは少し微妙なところもありますが、頻繁にワックスの塗り替えが面倒と感じている人にもおすすめ。ワックスの濃度が濃いめなので、一度に厚く塗ってしまうとムラになりやすいので、注意が必要です。
【超高耐久ワックス】合成アクリル・ウレタン樹脂ワックス
水廻りに近いキッチンや洗面所などの、防水対策をしたい場所に最適な、防水に特価したワックスです。水性のワックスにありがちな、水と反応して白濁してしまうのを軽減してくれます。防水といっても、完全防水というわけではないので、注意は必要です。
ワックスを上手に塗るポイント
ワックスを施工する前に、フローリングの脱脂は必須です。
足の脂がフローリングに付着したまま、ワックスを塗ってしまうと、ワックスの剥げ落ちの原因となってしまいます。
ワックス施工の前に、掃除をしない人はいないと思いますが、脂汚れはさらに入念にチェックしてください。
クリーナーはクリーニングだけでしたら、30倍に薄めて使用できますので、500mlのもので十分でしょう。
ワックスを塗るときにありがちな失敗は、効果を高めようと一回で厚く塗ってしまい、ムラが目立ってしまうという点です。
上手に塗るポイントは、一度に厚塗せずに薄く2回に分けて塗るのがポイント。
薄く塗ることによって、1回目のワックスも乾燥が早くなります。
1回目のワックスが乾かないうちに、2回目を塗ってしまうとムラになってしまいますので、1回目をしっかり乾かせてから塗るようにすると、良い仕上がり感になると思います。
特にワックス成分の濃い、高耐久のワックスほど薄く塗り重ねるのもポイント。次回に剥離するときにも、薄く塗り重ねている分、剥離しやすくなります。
ワックスは湿度の低い、晴れた日に施工するのもポイントです。
雨の日や湿度が高い日に施工してしまうと、ワックスがなかなか乾かずに、乾燥したあとに白濁やムラになってしまうことがあります。
晴れた日や風通しの良い日に施工した方が、乾燥が早いので二度塗りもスムーズに行なえます。
ワックスの効果を高めようと、3度、4度の塗り重ねもムラになりやすい原因になってしまいます。
市販のワックスは、剥離することが前提ですので、密着性はそれほど高くありません。
塗り重ねのし過ぎで、ワックスがポロポロと剥がれてきて来てしまう場合もありますので注意してください。
また、ワックスは経年で汚れを含み、特に樹脂系ワックスは変色もしますので、塗替えの際は剥離しての再施工が理想ですが、塗り重ねの度合いによっては、後々剥離のしやすさにも影響が出てきてしまいます。
【ワックス施工の必需品】
ワックスの施工には専用のワイパーが必須です。フロアコーティングを施工する際も、モップを使用して手際よく塗り広げていきます。ワックスも専用のモップを使うことによって短時間で、キレイに施工が出来ますのでおすすめです。
1回の施工にワックスはどれくらい必要?
通常、3LDKの間取りですとフローリングの面積は30㎡から40㎡程度が一般的な広さです。
また全ての部屋を施工、もしくはリビング・ダイニングだけ施工など、施工する面積は異なってきます。
市販のワックスは、500mlで約30畳、1Lで60畳の施工が可能です。
薄塗りで、2回施工することを考えると1Lタイプのものを購入しておけば、全部屋施工したとしても十分足りる計算になりますね。
こまめなお手入れにはシートタイプもおすすめ
一度ワックスを施工した後のメンテナンスに、もしくは最初からシートタイプのワックスを使用するというのもありです。
塗るタイプと比較してしまうと、どうしても耐久性では劣ってしまいますが、こまめに、気軽に使用できるのがシートタイプのワックスのメリットです。
また、水性ワックス、水性樹脂系ワックスが使用できないシートフローリングにも、シートタイプなら多量の水分をふくませることにもなりませんので使用できる場合が多いのもメリットですね。
【ワックス前、ワックス後のクリーニングに】
【お手入れ簡単シートワックス】
【細かなキズ消しシート】
歩行による細かなキズにはキズ消しシートもおすすめです。目立つ大きなキズには効果は期待できませんが、細かなすりキズであれば、シートの合成樹脂がキズの穴を埋めて目立たなくしてくれます。
まとめ
市販されているワックスと言っても、いろいろな種類のワックスが販売されていますよ。
光沢や、耐久性、防水性など用途に合わせて、好みのワックスを選べるというのも市販ワックスのメリットです。
なにより、施工のしやすさからDIYで施工できてしまう部分が、費用的な面から見ても魅力的ですよね。
市販のワックスもフローリングの種類によって、相性がありますので、その点は注意してください。
今回、紹介しているワックスは複合フローリングに対応したものです。
無垢フローリング、シートフローリングの市販ワックスについては、別の記事でまとめたいと思います。